7月12日に帯広畜産大学にて開催された「難病と障がいを知る」第2回畜大とことこゼミに、訪問看護ステーション向日葵の言語聴覚士が講師として登壇しました。
このゼミは科学技術振興機構(JST)委託研究事業で、NPO法人みんなのポラリス、ボランティアサークルとことこあるこう の共催、帯広畜産大学が後援し、開かれました。
まず、言語聴覚士(ST)という資格や仕事内容について紹介しました。その上で、STとして関わっている様々な障害の中から「失語症」に焦点をあてて、講演をされました。失語症とは大脳の言語に関係する中枢が損傷されることで、話す、聴く、読む、書くの4つのことばの機能が低下する症状です。言語の他に、計算が難しくなる場合もあります。
話す、聴く、読む、書くのそれぞれの側面で現れる症状や、発語や書字のリハビリの様子についても紹介しました。
失語症の方への訪問を通して、「言葉が話せないので人と会いたくない」という想いを聞いたり、「自分のような人は他にもいますか?」という質問をよくされるそうです。
このように、例えからだの障害が重くなかったとしても、当事者の方自ら社会や人との間に大きな壁を作ってしまいがちです。
そこで、初めて聞く方もいらっしゃるかもしれませんが、「失語症カフェ」という取り組みがあります。
同じ想いをもつ人が自分だけではないと知るために交流する場として、令和5年から帯広でも開催されています。ボランティアも募集しています。次回は10月開催ですので、またご紹介させていただきますね
【設けられた質問タイムの内容を1つご紹介】
Q.「町で失語症の方に出会った場合、話をするにあたって心がけることはありますか?」
A.「話そうとしている気持ちを尊重してほしいです。遮ったり手を貸しすぎたりせず、筆談等も活用しながら、その方のペースで対応していただけたらと思います」
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今回のとことこゼミでは「医療・福祉へ進んだ畜大生」がテーマで、STが登壇しました。
言語聴覚士と畜産分野では、動物と人体の違いはあります。しかし、どちらも生物学であり、仮説を立て検証していくという点では、リハビリの治療過程は研究室で学んだ研究方法と共通するところがあります。「帯広畜産大学の経験が無ければ、今の自分はない」とお話をされていました。
今回の講演をきっかけに、十勝に住む若い世代と「こんなお手伝いしてもらえませんか?」や、「こんなお手伝い必要な方はいませんか?」というやりとりができるような地域になっていくと嬉しいですね!
そして、チーム向日葵も応援に駆け付けました!所長お手製の応援グッズで思わず笑顔に!大活躍のSTです!
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